イブキジャコウソウ

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イブキジャコウソウ
福島県磐梯山 2010年7月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: イブキジャコウソウ属 Thymus
: イブキジャコウソウ
T. quinquecostatus
学名
Thymus quinquecostatus Celak.
シノニム
  • Thymus serpyllum L. var. ibukiensis Kudô
  • Thymus quinquecostatus Celak. var. ibukiensis (Kudô) H.Hara
  • Thymus quinquecostatus Celak. var. japonicus H.Hara
  • Thymus serpyllum L. subsp. quinquecostatus (Celak.) Kitam.
  • Thymus japonicus (H.Hara) Kitag.
和名
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)

イブキジャコウソウ(伊吹麝香草、学名:Thymus quinquecostatus )はシソ科イブキジャコウソウ属小低木。別名、イワジャコウソウナンマンジャコウソウ

特徴[編集]

は細く、地表を這い、よく分枝する。には短い毛があり、直立して高さは3-15cmになる。は茎に対生する。葉身は卵形から狭卵形で、先端は鈍頭、長さ5-10mm、幅3-6mmになり、縁は全縁になる。全体に芳香がある。

花期は6-8月。枝の先端に短い花穂をつける。花冠は紅紫色の唇形で、上唇はわずかに2裂して直立し、下唇は3裂して開出する。は筒状鐘形の唇形となる。雄蕊は4本ある。果実は分果となり、やや扁平となる。

和名は、伊吹山に多く産し、芳香があることから付けられた。

分布と生育環境[編集]

日本では、北海道、本州、九州に分布し、海岸から高山帯までの日当たりの良い岩地に生育する。アジアでは、朝鮮、中国、ヒマラヤに分布する。

変種、品種[編集]

  • シロバナイブキジャコウソウ Thymus quinquecostatus Celak. f. albiflorus H.Hara
  • ハマジャコウソウ Thymus quinquecostatus Celak. f. maritimus H.Hara
  • ヒメヒャクリコウ Thymus quinquecostatus Celak. var. canescens (C.A.Mey.) H.Hara - 葉にあらい毛があり、日本の北アルプスにまれにみられる。アジアでは、樺太、ウスリーに分布する。

ギャラリー[編集]

イブキジャコウソウ
和名の由来である伊吹山・2011年7月
イブキジャコウソウの群落。
右手前はシコタンソウ
白馬岳・2010年8月
イブキジャコウソウ
南アルプス聖岳・2002年8月

参考文献[編集]

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類』(1981年)平凡社
  • 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月、192-193頁。ISBN 4-635-09019-1 
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

関連項目[編集]