File:大江健三郎と三島由紀夫 (8347870766).jpg
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| Description | 二人合わせてちょうど一段分だったが、kindleの普及ぶりに圧倒され、「フットボール」と「豊饒の海」だけを残して処分。それにしても「仮面…」「午後の曳航」「MTと森」など、気になる巻がないのはどういうことだろう。「癩王のテラス」もない。それにしても三島由紀夫のカバーの背はすっかり日に焼けて肌色になってしまった。もとはビビッドな明るく強いオレンジ色で、表の大きな活字だけのレイアウトといい、文庫本カバーデザインの傑作ではないかと思う。おかげで今でも、三島というとオレンジ色が浮かぶくらい、私にとっては三島イメージの一端を成すものである。今のように量産される前の文庫本は、岩波文庫をはじめ新潮文庫など美しいデザインが多かった。中を開いても余白の取り方など紙面が美しかく、活字を眺める喜びを与えてくれるもので、まさに手に持つ愛玩具のようなところがあった。活字のインクが打ち込まれたごく微妙な凹凸もよかった。今の文庫本でそう心が動くものは少ない。あまりにも多様すぎて雑然としているし、活字が大きくなるのはいいとしても、なんだか平板でしまりがないのが多い。出版業界が頭打ちというけれど、読者は正直なのだ。やっつけ仕事で量産された本ばかりだと、ファーストフードばかり食べているようで嫌な飽食感に包まれる。何日かコンビニ通いをすると、どんなにおなかが空いていてもどれも手に取る気になれない。「安く、沢山、早く売る」というのは書籍を愉しむことの反対側にある。それにいい質を持った若い作家があっという間に「消費」されていくのはたまらない。賞を取ったりすると最悪だ。あっという間に駄作を大量生産するようになる。書く人も地獄、作る人も地獄、読む人も地獄の世界が楽しいわけがない。だから、電子化はいいタイミングでやってきたのだ。消費されるだけの本なら、貴重な資源を投入する必要はない。画面で読み捨てればいいのだ。本当に手に取って読みたい本とは、手の平で包み、指でなぞるようにして読みたい本とは、物があふれる部屋の中で一定量の空間を与えて側に置いておきたい本とは何か、そういうエロティックな力を持った本だけが存在することを許されるのだ。 |
| Date | |
| Source | i-photo 大江健三郎と三島由紀夫 |
| Author | midorisyu from JAPAN |
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This image was originally posted to Flickr by midorisyu at https://flickr.com/photos/9802162@N03/8347870766 (archive). It was reviewed on 26 February 2019 by FlickreviewR 2 and was confirmed to be licensed under the terms of the cc-by-2.0. |
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| current | 02:16, 26 February 2019 | | 3,264 × 2,448 (1.77 MB) | Benzoyl (talk | contribs) | Transferred from Flickr via #flickr2commons |
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