亜東印画輯/京大補足撮影分

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  • ●黑龍江の夕照（大黑河附近） 洋々たるアムールの巨流は一沫の凄氣をたゝへて襲ひ來る夕闇のなかに暮れて行く。水天髣髴の彼方に染むる金色の光は秒一秒と傾く、大聖の臨終にも似たるこの壯嚴の前には國境もなければ地上の醜い爭鬪もない。唯偉大なる靜寂のなかに大自然の壓迫のみが犇々と身に迫る。　（印畫の複製を嚴禁す）
    ●黑龍江の夕照（大黑河附近）

    洋々たるアムールの巨流は一沫の凄氣をたゝへて襲ひ來る夕闇のなかに暮れて行く。水天髣髴の彼方に染むる金色の光は秒一秒と傾く、大聖の臨終にも似たるこの壯嚴の前には國境もなければ地上の醜い爭鬪もない。唯偉大なる靜寂のなかに大自然の壓迫のみが犇々と身に迫る。　（印畫の複製を嚴禁す）
  • ●大黑河碼頭 （大黑河） 大黑河の街は帝政ロシヤが西比利亞線完成と共にゼーア河交流點にブラゴェチェーンスク市を建設せるため、支那側でもこれに對峠して造つた港である。當時は何等經濟的價値なく見る可き產業もなかつたが、今は國際的にも經済上にも黑龍江岸の重要な輸出港となり、附近一帶の穀類、毛皮、木材等の集散地となつて居る。　（印畫の複製を嚴禁す）
    ●大黑河碼頭 （大黑河）

    大黑河の街は帝政ロシヤが西比利亞線完成と共にゼーア河交流點にブラゴェチェーンスク市を建設せるため、支那側でもこれに對峠して造つた港である。當時は何等經濟的價値なく見る可き產業もなかつたが、今は國際的にも經済上にも黑龍江岸の重要な輸出港となり、附近一帶の穀類、毛皮、木材等の集散地となつて居る。　（印畫の複製を嚴禁す）
  • ●黑龍江の夕照（大黑河附近） 洋々たるアムールの巨流は一沫の凄氣をたゝへて襲ひ來る夕闇のなかに暮れて行く。水天髣髴の彼方に染むる金色の光は秒一秒と傾く、大聖の臨終にも似たるこの壯嚴の前には國境もなければ地上の醜い爭鬪もない。唯偉大なる靜寂のなかに大自然の壓迫のみが犇々と身に迫る。　（印畫の複製を嚴禁す）
    ●黑龍江の夕照（大黑河附近）

    洋々たるアムールの巨流は一沫の凄氣をたゝへて襲ひ來る夕闇のなかに暮れて行く。水天髣髴の彼方に染むる金色の光は秒一秒と傾く、大聖の臨終にも似たるこの壯嚴の前には國境もなければ地上の醜い爭鬪もない。唯偉大なる靜寂のなかに大自然の壓迫のみが犇々と身に迫る。　（印畫の複製を嚴禁す）
  • ●烏蘇里河（濱江省） 烏蘇里河は黑龍江の右方支流で、左右兩側から蘇滿兩國の廣汎な地域を潤ほす多數の小河を抱擁しつゝ、永い間の變遷の歷史を湛えて悠々約十萬平方粁の水域に君臨して居る。圖は虎林沿岸より對岸イマン市を望めるもので界された萍々たる江水をはさむ國と國、江面に映る船影の靜けさのうちにも心なすか重苦しく迫るものを覺える。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●烏蘇里河（濱江省）

    烏蘇里河は黑龍江の右方支流で、左右兩側から蘇滿兩國の廣汎な地域を潤ほす多數の小河を抱擁しつゝ、永い間の變遷の歷史を湛えて悠々約十萬平方粁の水域に君臨して居る。圖は虎林沿岸より對岸イマン市を望めるもので界された萍々たる江水をはさむ國と國、江面に映る船影の靜けさのうちにも心なすか重苦しく迫るものを覺える。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●同江（松花江岸） 廣漠たる平野を流るゝスンガリーの河沿ひ、江水を湛へた處靜かに倒影を映して居る一筋町それが同江である地形上松花江と黑龍江の合流點に近く、松、黑、烏の三大江の通航船の寄泊地として最も有利な條件にある地點で縣公署もあるが未だ一向に振はず物淋しい眠つたやうな田舎町である。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●同江（松花江岸）

    廣漠たる平野を流るゝスンガリーの河沿ひ、江水を湛へた處靜かに倒影を映して居る一筋町それが同江である地形上松花江と黑龍江の合流點に近く、松、黑、烏の三大江の通航船の寄泊地として最も有利な條件にある地點で縣公署もあるが未だ一向に振はず物淋しい眠つたやうな田舎町である。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●撫遠の遠望（黑龍江岸） 撫遠は黑龍、烏蘇里兩河の合流點に近い町で、山を背にして靜かに江岸に臨む港町を遠く船中から眺めると日本の旅で見た入江に圍まれた漁村の風光が想出される。縣公署はあるが小さい漁村で、裏山の中腹に見える一條の柵は露支紛爭の折の血腥い鐵柵の名殘りである。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●撫遠の遠望（黑龍江岸）

    撫遠は黑龍、烏蘇里兩河の合流點に近い町で、山を背にして靜かに江岸に臨む港町を遠く船中から眺めると日本の旅で見た入江に圍まれた漁村の風光が想出される。縣公署はあるが小さい漁村で、裏山の中腹に見える一條の柵は露支紛爭の折の血腥い鐵柵の名殘りである。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●松阿察河［スンガヂヤホ］（濱江省） 松阿察河は烏蘇里河の支流で興凱湖に通ずる蘇滿の國境を劃する線で、兩岸は濕地多く蘆荻繁茂し河はその間を時に廣く或は狹くなり複雜な線を畵いて迂曲廻走して居る。淺瀨の多いのと夏季は霧で惱まされながら興凱湖通ひの汽船は航行するが、此處を通ると寧ろ國境と云ふ雰圍氣がより重苦しい壓迫を覺える。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●松阿察河［スンガヂヤホ］（濱江省）

    松阿察河は烏蘇里河の支流で興凱湖に通ずる蘇滿の國境を劃する線で、兩岸は濕地多く蘆荻繁茂し河はその間を時に廣く或は狹くなり複雜な線を畵いて迂曲廻走して居る。淺瀨の多いのと夏季は霧で惱まされながら興凱湖通ひの汽船は航行するが、此處を通ると寧ろ國境と云ふ雰圍氣がより重苦しい壓迫を覺える。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●雄基（北鮮） 北鮮の最北部、滿、蘇境界に近い處に雄基港がある。往年間島、琿春地方物資の吞吐港として浦鹽と對抗した港で、人口二萬餘、京圖線完成と共に港灣も擴張せられ、地形も附近木材の集散に適し今後その輸出港として尤も期待せられて居る。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●雄基（北鮮）

    北鮮の最北部、滿、蘇境界に近い處に雄基港がある。往年間島、琿春地方物資の吞吐港として浦鹽と對抗した港で、人口二萬餘、京圖線完成と共に港灣も擴張せられ、地形も附近木材の集散に適し今後その輸出港として尤も期待せられて居る。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●雄基港（北鮮） 漏斗形の港を包んだ丘陵の坂に沿うて建て並んだ町の姿、波隱やかなる灣內に繫留される帆柱の林立、雄基港は日本内地によく見る港町情景の豐かな町である。現在吞吐能力六十萬瓲、石炭、木材、大豆等を輸出し、織物、穀類等を輸入して居る。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●雄基港（北鮮）

    漏斗形の港を包んだ丘陵の坂に沿うて建て並んだ町の姿、波隱やかなる灣內に繫留される帆柱の林立、雄基港は日本内地によく見る港町情景の豐かな町である。現在吞吐能力六十萬瓲、石炭、木材、大豆等を輸出し、織物、穀類等を輸入して居る。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●雄基の街（北鮮） 南陽から北鮮に入り車窓に映り行く滿洲を見馴れた物珍らしい相違に興味をそゝる間を圖們江岸に沿うて進むと雄基に着く。京圖線の終點港羅津と、南の淸津港と共に北鮮の三港として特に貨物の輸出港として今後の發展を囑望されて居る。圖はその賑やかな商店街。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●雄基の街（北鮮）

    南陽から北鮮に入り車窓に映り行く滿洲を見馴れた物珍らしい相違に興味をそゝる間を圖們江岸に沿うて進むと雄基に着く。京圖線の終點港羅津と、南の淸津港と共に北鮮の三港として特に貨物の輸出港として今後の發展を囑望されて居る。圖はその賑やかな商店街。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●羅津港（北鮮） 嘗て四十年の昔から全鮮第一の自然良港として認められた羅津の港灣は、一望の下に眺めらるゝ灣口に自然の防波堤をなす大草、小草の二島を前にして、東西北の三方の岬に圍まれた包擁力は素晴しいもので、工事完成の曉には八千噸級の汽船を十數隻も繫留し得ると云はれて居る。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●羅津港（北鮮）

    嘗て四十年の昔から全鮮第一の自然良港として認められた羅津の港灣は、一望の下に眺めらるゝ灣口に自然の防波堤をなす大草、小草の二島を前にして、東西北の三方の岬に圍まれた包擁力は素晴しいもので、工事完成の曉には八千噸級の汽船を十數隻も繫留し得ると云はれて居る。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●羅津（一）（北鮮） 滿洲國の出現から懸案の吉會線に換つて日滿連絡の京圖線が生れ、羅津がその終端港として選ばれると共に急速な工事の進渉を見て立派な若き港羅津が生れた。大連と安東とに結れた線が更に日本海から裏日本に連る一線を加へた事は、距離の短縮と共に日本海時代の將來が刮目される。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●羅津（一）（北鮮）

    滿洲國の出現から懸案の吉會線に換つて日滿連絡の京圖線が生れ、羅津がその終端港として選ばれると共に急速な工事の進渉を見て立派な若き港羅津が生れた。大連と安東とに結れた線が更に日本海から裏日本に連る一線を加へた事は、距離の短縮と共に日本海時代の將來が刮目される。　（印畵の複製を嚴禁す）
  • ●羅津（二）（北鮮） 二年前迄は北鮮の一漁港として淋しかつた羅津は、天然の條件と時代の趨移と更に地位的優越性と國策的重要性に惠まれて俄かに躍進された。現在人口二萬五千餘、日々に殖え行く建築物にもその發展振りが期待され、將來王座大連と拮抗しそれを搖がす日も考へ得らるゝであらう。　（印畵の複製を嚴禁す）
    ●羅津（二）（北鮮）

    二年前迄は北鮮の一漁港として淋しかつた羅津は、天然の條件と時代の趨移と更に地位的優越性と國策的重要性に惠まれて俄かに躍進された。現在人口二萬五千餘、日々に殖え行く建築物にもその發展振りが期待され、將來王座大連と拮抗しそれを搖がす日も考へ得らるゝであらう。　（印畵の複製を嚴禁す）
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